まず、3つの問題を紹介したい。

  1. 2148+2147+...+1 を素因数分解せよ。
  2. 1,3,7,10,13 の中からいくつかの整数を選んで、和が 21 になるようにできるか?
  3. y 2= x 3-2 を満たす整数 ( x , y ) を全て求めよ。

2. は簡単である。 1. は手計算でやるのは非現実的だが、計算機と数論計算ソフト(PARI-GPなど)があれば数秒で可能である。 3. はかなり難しい。結論から言うと解は ( x , y )=(3, 5), (3, -5) のみであるが、そのことが 厳密に証明されたのは1880年代になってからである。

さて、この3つの問題は単純な外見をした問題ではあるが、ある大きな意味を持っている。 情報を安全・正確に伝達するための仕組みとして暗号・符号というものが作られているが、上の3つの問題は 暗号・符号の理論と密接に関わっている。

数論の面白さは、単純な外見をしながら、なかなか解けない問題が多数存在することにあるのだが、 そうした単純な問題を考えることが実用への応用に繋がっていくというのもなかなかに面白い。


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